契約書や証拠が無くても回収できますか(勝てますか)?

契約書や証拠が無くても回収できます(勝てます)。最後まで諦めずに頑張りましょう。

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「契約書や証拠が無い!」と言って支払ってもらえない

口約束しか交わしていなかった
契約書の内容が間違っている
真実の合意と異なった契約書に押印させられた
○○○○という話だったのに払ってくれない!
契約書を作成していなかった!!
支払ってくれると言っていたのに払ってくれない!
のらりくらりして払ってくれない!!

契約書や証拠が存在しない場合、口約束しか存在しない場合

契約書が存在しない場合、口約束しか存在しない場合は、数多くあると思います。いまだに日本において契約書なしに取引をしている方が多いのではないでしょうか。

しかし、そのために、相手方から、「契約書がないから支払う義務はない」と言われて泣き寝入りされている方もかなりいらっしゃいます。しかし、契約書が存在していなくても、口約束しかなくても、多くの場合で、債権回収は可能です。日本では、民商法上、契約の成立のためには合意があれば良く、契約書までは要求されていません。契約書はあくまで証拠の一つに過ぎませんので、その他に契約の成立を証する証拠があれば良いのです。

例えば、メールやFAX、手書きメモ、友人の証言などでも証拠となります。LINEや録音などの場合も多いでしょう。

これから作る契約書や証拠も証拠として有効である

また、これらの証拠が無いのであれば、これから証拠を作ればよいのです。証拠を偽造すればよいと言っているのではありません。契約書が存在していないのであれば、これから契約書への押印を要求すればよいのですし、押印してくれなくても、契約書がほぼ完成していて、「これでいいよ!」という録音があれば、その内容で契約が成立していることを立証できます。また、メールやLINEで「・・・だったよね!」と質問し、「そうだね!」と返答を貰いさえすれば、過去、その内容で契約が成立したことを立証できます。

また、相手が嘘を言っていることを明らかにすることができる証拠があれば、相手の嘘を暴くことができるのみならず、こちらの主張が真実であることを立証することができる場合もあります。

間接証拠(状況証拠)でも積み重ねれば立証できる可能性がある

契約の成立を証する直接証拠が無くても、貴社が相手方に継続して商品を納入してきた事実と相手方がそれに対して継続的に代金を支払ってきた事実を証明すれば、間接的に、契約の成立を証明することになりますし、相手方が継続してロイヤルティを支払って来ている場合は、相手方とのライセンス契約が存在することを間接的に証明することができます。

また、業務委託契約書が締結されていなくても、業務委託契約がおおむね完成し、そのうえで、委託者が受託者に対して、仕事の開始の指示を出していたのであれば、それは、業務委託契約書の内容について了解したので仕事を開始してくださいと言った、すなわち、業務委託契約書が成立したものとみなされます。間接証拠(状況証拠)です。

立証のためには証拠以上にストーリーが重要

さらにそのような間接的な証拠よりももっと重要なのがそのような証拠の「点」と「点」を結ぶ「線」です。いわゆるストーリーとも呼ばれますが、「点」と「点」を結ぶことによって作られる「線」であるストーリーがいかに自然で合理的で迫真性あるかが、さらに重要となります。このストーリーが説得力を持つと、裁判の流れを一気にこちらに引き寄せることができます。

契約書の内容が真実と異なっている場合

また、契約書をよく見たら真実の合意と異なっている場合、真実の合意と異なった契約書に署名させられた場合、契約書の内容に不備がある場合、相手方から取引の継続や債務の支払いを拒否されているとか、不利な条件や不当に安い価格でしか支払ってもらえないとか、こんなお悩みをお持ちの方も、結構いらっしゃいます。

こういった場合であっても、契約書の内容に反して、貴社が相手方に継続して商品を納入してきた事実と相手方がそれに対して継続的に代金を支払ってきた事実を証明すれば、契約書と異なった合意があったことについて、間接的に、契約の成立を証明することになりますし、契約書と異なった条件で相手方が継続してマージンを支払って来ている場合は、相手方とのライセンス契約が契約書の内容と異なっていることを間接的に証明することができます。

さらに、証拠の「点」と「点」を結ぶ「線」であるストーリーがいかに自然で合理的であるか、契約書の内容を前提としたストーリーがいかに不自然で不合理かも重要となります。

弁護士の仕事は少ない手掛かりの中から証拠を構築することである

契約書がない場合、証拠がない場合、いったい、どのように証拠を作ればよいのか、どのようなものが間接証拠(状況証拠)になるのか、どのようなストーリーであれば説得力があるのか、弁護士は、こういうことを、皆様と一緒に考え、悩み、混沌の中から見つけ出すことが仕事です。

そのような混沌の中から、重要な証拠が発見され、間接証拠(状況証拠)が発見され、有力なストーリーが発見されます。

さまざまな作為、偽装、偽造証拠、虚偽証言、を発見することもあります。そこまでできれば、大逆転ではないでしょうか。

裁判・訴訟を提起しましょう(諦めてはいけません!!)

契約書の内容は歴然と存在するため、有利で簡単な裁判・訴訟ではありませんが、裁判官も人の血が通っていますので、見捨てたものではありません。

契約書を作成しなかった、真実と異なる契約書に署名させられてしまったという落ち度は存在しますが、それを前提に、自分に都合のよい条件をなし崩し的に押し付けようとした相手方の悪質度合いは認定されてしかるべきですし、そもそも悪意の相手方がこのようなことをする傾向にあります。それは、証拠の「点」と「点」を結ぶ「線」であるストーリーにより、明らかにされることでしょう。

また、特に、裁判所の裁判・訴訟における和解手続きは、そのような利害関係の調整に適しており、この点、裁判官は非常に信頼ができるといってよいかと思います。

ただ、いずれにしても、裁判・訴訟においては、証拠が重要ですので、間接的な証拠や、状況証拠でも問題ありませんので、兎に角、確保しておくことが好ましいといえます。

ツ黴€すなわち、契約書や証拠が無い場合、取引先にどのように支払わせ、どのようにその主張を断念させるかについて、どのような手法を採用すべきかについては、これらの諸般の事情を考慮して、検討することが重要となってきます。

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    ABOUT US
    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
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