控訴とは?控訴の要件や提起の方法、控訴審の流れについて解説

控訴は、一審判決に不服がある場合に、上級の裁判所に審理を求めるものです。

この記事では、民事訴訟と刑事訴訟の控訴について、概要を説明していきます。
⇒債権回収を強力に進めるなら!

控訴とは

控訴とは、第一審の判決に不服がある当事者が、上級の裁判所に再度の審理を申し立てることをいいます。

民事事件と刑事事件の双方で控訴は認められていますが、その内容には異なるところがあります。

三審制

日本では、公正な裁判を実現するために、当事者の希望により、原則として3回まで異なる審級の裁判所で審理を受けられるという三審制が採用されています。

控訴は、第一審の判決に不服がある場合に、上級の裁判所にその判決の変更や取り消しを求める手続きです。

控訴審は三審制の中の第二審に位置づけられます。

民事事件では、第一審が地方裁判所の場合は控訴審が高等裁判所になり、第一審が簡易裁判所の場合は控訴審が地方裁判所になります。

刑事事件では、第一審は地方裁判所または簡易裁判所になり、控訴審はどちらの場合も高等裁判所になります。

控訴と上告

第一審の判決に不服を申し立てるのが控訴であるのに対して、控訴審の判決に対する不服を訴えるのが上告になります。

上告審は三審制の最後の審級です。

民事事件の上告審は、控訴審が高等裁判所の場合は最高裁判所になり、控訴審が地方裁判所の場合は高等裁判所になります。

刑事事件の上告審は、最高裁判所です。

判決・決定・命令

訴訟で下される判断には、判決の他にも決定や命令があります。

判決とは、訴え・控訴・上告などの、当事者の申立てのうちで重要な事項に対する裁判所の終局的な判断を意味します。

判決は、原則として口頭弁論を経る必要があり、判決書を作成して期日に言渡しをしなければならないという厳格な手続きが要求されています。

決定と命令は、いずれも、訴訟指揮や手続きに関する付随的な事項などについて下される判断です。

決定は、裁判所がする判決以外の裁判であるのに対して、命令は、裁判長や受命・受託裁判官の資格で行う裁判です。

決定や命令は、判決に比べて手続きが簡易になっています。

控訴と抗告

裁判に不服を申し立てる方法には、控訴の他にも抗告があります。

控訴と抗告は、不服申立ての対象が判決・決定・命令のいずれかにより異なります。

控訴は、判決に対して不服を申し立てるための手続きです。

これに対して、抗告は、決定や命令に対する不服申立てになります。

続審と事後審

訴審の性格について、続審と事後審の2つの考え方があります。

続審とは、前審での審理を基礎としながらも、上級審で新たな訴訟資料の提出をさせて、事件について引き続き審理を行うというものです。

控訴審を第一審の続きとして捉えるのが、続審の考え方です。

続審制のもとでは、控訴審は、第一審の審理を基礎にして、新たに主張や証拠を提出させたうえで、事件について継続して審理を行います。

民事訴訟では、続審制が採用されています。

事後審とは、上級審が、原審の訴訟資料によって原判決の当否を審査するものです。

事後審は、続審のように事件そのものについて継続して審理をするものではなく、原判決を対象として、それが妥当であるか事後的に審査するものです。

刑事訴訟では、民事訴訟とは異なり、事後審制が採用されています。

刑事事件は、事後審になりますので、控訴審は、第一審判決の判断が不合理といえるかという観点から審査します。

刑事事件の控訴審は、事件についてもう一度裁判をやり直すものではないことを認識することが重要です。

刑事事件の控訴審は、第一審の訴訟記録に基づいて審査が行われるため、証人尋問などの証拠調べが行われることは稀で、原則として新たに訴訟資料を提出することも認められません。

そのため、審理は非常に短い時間で終わることが多くなっています。

事実審と法律審

裁判で何を審理の対象とするかという観点からの分類で、事実審と法律審があります。

事実審とは、事実認定と法律の適用を併せて審理する審級です。

法律審とは、法律問題のみを審理する審級です。

民事事件では、第一審と控訴審が事実審で、上告審が法律審になります。

刑事事件の場合も、第一審は事実審です。

刑事事件の控訴審は、原則として法律審ですが、事実誤認や量刑不当のような事実問題について審理する場合には事実審にもなります。

刑事事件でも、上告審は法律審です。

控訴の効果

控訴が提起されると、控訴期間を経過しても原判決が確定しないことになります。

反対から見れば、控訴しない場合は、控訴期間の経過とともに第一審の判決が確定してしまい、以後は原則として争えなくなります。

まとめ

ここまでを簡単にまとめます。

民事事件の控訴は、第一審の判決に不服がある場合に、事実審である控訴審で、もう一度事実問題と法律問題を審理するものです。

これに対して、刑事事件の控訴は、第一審の判決が妥当なものか否か、控訴審で原則として法律問題のみを審理するものになります。

控訴できる者

控訴できる者は法律で定められていますので、簡単に見ていきましょう。

民事事件の場合

第一審の判決に不服がある当事者は、控訴をすることができます。

当事者が未成年者や成年被後見人の場合は、訴訟能力が認められないので、法定代理人が控訴をすることになります。

ただし、未成年者が婚姻をした場合などは、未成年者も単独で控訴をすることができるようになります。

被保佐人や一部の被補助人が当事者のときは、控訴をするためには、保佐人や補助人の同意が必要になります。

刑事事件の場合

刑事事件で控訴できるのは、被告人本人または検察官です。

被告人の法定代理人または保佐人は、被告人のために控訴をすることができます。

また、原審での代理人または弁護人も、同様に被告人のために控訴できます。

なお、これらの者が控訴をする場合には、被告人の明示した意思に反して控訴をすることはできません。

控訴の要件

控訴をするためには一定の要件を満たす必要がありますので、ここで整理しましょう。

民事事件の場合

  •   控訴の許される終局判決であること

第一審の終局判決が、控訴が許される判決である必要があります。

控訴が許されない判決には、少額訴訟や手形小切手訴訟の判決があります。

終局判決とは、その審級の審理を終結させる判決を意味します。

  •  控訴期間内に控訴が提起されたこと

判決書または判決に代わる調書の送達を受けた日から2週間以内に、控訴状を提出する必要があります。

  • 控訴の利益があること

控訴人が第一審で行った本案の申立ての、全部または一部が認められなかった場合に控訴の利益があります。

請求について一部認容判決が出た場合は、原告・被告の双方に控訴の利益が認められます。

  • 不控訴の合意がないこと

単に控訴しないことを合意した場合だけではなく、飛躍上告の合意をした場合も含みます。

飛躍上告とは、事実審である控訴審を省略して、法律審である上告審に進むことをいいます。

飛躍上告の合意をした場合にも、当事者は控訴できません。

刑事事件の場合

刑事事件で控訴を申し立てるためには、控訴理由が必要です。

刑事事件の控訴理由には、絶対的控訴理由と相対的控訴理由があります。

絶対的控訴理由

絶対的控訴理由とは、法令違反があることのみで控訴理由になるものです。

以下の事由が、絶対的控訴理由になります。

  • 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと
  • 法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと
  • 審判の公開に関する規定に違反したこと
  • 不法に管轄または管轄違を認めたこと
  • 不法に、公訴を受理し、またはこれを棄却したこと
  • 審判の請求を受けた事件について判決をせず、または審判の請求を受けない事件について判決をしたこと
  • 判決に理由を附せず、または理由にくいちがいがあること

相対的控訴理由

相対的控訴理由とは、法令違反があり、その違反が判決に影響を及ぼすことが明らかである場合に控訴理由になるものです。

相対的控訴理由には、4つの類型があります。

  • 訴訟手続の法令違反

訴訟の手続きに法令違反があって、その違反が判決に影響を及ぼすことが明らかな場合です。

  • 法令適用の誤り

法令の適用に誤りがあって、その誤りが判決に影響を及ぼすことが明らかな場合です。

  • 量刑不当

刑の量定が不当であることを控訴理由とする場合です。

  • 事実誤認

第一審判決で認定された事実に誤認があって、その誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかな場合です、

刑事事件の控訴期間

刑事事件の控訴期間は、判決言渡しの日の翌日から起算して14日です。

この期間内に控訴申立書を第一審の裁判所に提出します。

控訴するための手続き

控訴を申し立てるために必要な手続きを簡単にまとめます。

民事事件の場合

判決書などの送達を受けた日の翌日から2週間以内に、控訴状を第一審の裁判所に提出します。

控訴状には、当事者、法定代理人、第一審判決の表示、その判決に対して控訴をする旨を記載しなければなりません。

また、控訴の趣旨も記載するのが通例です。

控訴の趣旨とは、控訴する人が控訴審の判決として希望する主文のことです。

控訴の理由は、控訴状に記載することもできますが、控訴期間が短いことから、別に控訴理由書を提出するのが普通です。

控訴理由書は、控訴提起の翌日から数えて50日以内に、控訴審の裁判所に提出する必要があります。

控訴理由書は、期間が経過した後に提出されたり、提出がなかったりしても、そのことを理由として控訴を却下することはできません。

しかし、提出期限を過ぎてしまうと心証が悪くなるおそれがありますので、裁判所に相談することが重要になります。

控訴審で代理人の弁護士が代わったり、事件が複雑で検討に時間がかかったりするような場合には、提出期限の延長を認めてくれることもあります。

刑事事件の場合

第一審で判決の言渡しを受けた日の翌日から数えて14日以内に、控訴申立書を第一審の裁判所に提出します。

控訴申立書には、被告人、事件名、裁判所、事件番号、判決の言渡し日などを記載します。

控訴申立書を提出すると、しばらくして高等裁判所から控訴趣意書を提出するように求められます。

控訴趣意書の提出期限は、高等裁判所から通知されますが、概ね1ヶ月程に設定されます。

その期間内に、控訴理由を記載した控訴趣意書を、控訴審の裁判所に提出しなければなりません。

控訴趣意書では、控訴理由が存在することを具体的に主張して、第一審判決の判断のどこに問題があるか明らかにする必要があります。

そのため、控訴趣意書の作成は大変重要になっています。

控訴趣意書の提出期限は、厳格に守る必要があります。

民事の控訴理由書とは異なり、控訴趣意書の提出期限を過ぎてしまうと、最悪の場合は控訴を棄却されてしまうおそれがあります。

期限までに提出できないような場合には、裁判所に控訴趣意書の提出期限の延長を申請します。

延長を認めるかは裁量によりますが、弁護人が交代して控訴趣意書の作成までに時間がない場合や、検討すべき証拠や裁判記録が膨大な場合など、2週間から1月程度の延長が認められることがあります。
⇒企業間の複雑な債権回収なら!

控訴にかかる費用

控訴にかかる費用についてまとめます。

民事事件の場合

民事事件で控訴を提起するための費用は、原則として第一審の手数料額の1.5倍になります。

例えば、第一審で全部敗訴した被告が控訴を提起する場合には、第一審で原告が納めた手数料の1.5倍の金額を納めます。

一部勝訴判決だった場合は、不服を申し立てた金額に応じて手数料も変わります。

例えば、500万円の請求のうち300万円が認容された場合には、原告が控訴するときは残額の200万円について不服を申し立てているので、200万円についての訴えを提起するときに必要な手数料額の1.5倍の金額が控訴の手数料になります。

同じ例で被告が控訴するときは、300万円についての訴え提起に必要な額の1.5倍となります。

刑事事件の場合

事事件の場合は、控訴自体には費用がかかりません。

ただし、有罪判決が出された場合には、被告人が訴訟費用を負担させられることがあります。

訴訟費用には、証人や鑑定人、弁護人などの旅費・日当・宿泊料や、弁護人の報酬が含まれています。

無罪判決の場合には、これらの訴訟費用も負担する必要はありません。

仮執行宣言の執行停止決定の申立て

仮執行宣言がある場合は、控訴をするとともに、仮執行宣言による執行の停止を申し立てます。

民事事件の場合

第一審で敗訴している場合は、大部分の判決に仮執行宣言が付せられています。

仮執行宣言とは、判決が確定していなくても強制執行ができるようにするものです。

控訴をしていても、仮執行されてしまうと大きな損害を被るため、仮執行宣言の執行停止決定の申立てを行います。

申立ての流れは以下のようになります。

  • 控訴の申立て

まず、控訴を提起します。

  • 仮執行宣言の執行停止決定の申立て

第一審の裁判所に仮執行宣言の執行停止を求めます。

  • 立担保命令の発令

裁判官が執行の停止を認めた場合には、担保の金額と提供期間を決定して立担保命令を出します。

  • 供託手続き

指定された期間内に、管轄の供託所に供託金を納めます。

供託金の額は裁判所の裁量によりますが、第一審判決で認容された額の50%から80%程度と、具体的な事情に応じて率は変動します。

なお、被告名義の供託金は敗訴した場合に原告に差し押さえられてしまうおそれがありますので、差押を防ぐために、第三者供託の仕組みを用いて弁護士の名義で供託する方が良いと考えられます。

  • 執行停止の決定

立担保命令を発令した裁判所に供託書の正本を提出すると、執行停止の決定がなされます。

  • 執行裁判所への提出

執行停止の決定を受けただけでは強制執行が停止されませんので、執行裁判所に執行停止の決定書を提出する必要があります。

刑事事件の場合

刑事事件でも、損害賠償命令の申立てがあった場合は、仮執行宣言が付けられることがあります。

損害賠償命令とは、殺人、強制わいせつ、誘拐などの一定の犯罪があった場合に、被害者本人や、被害者の一般承継人が申し立てることができるものです。

損害賠償命令の申立てがあると、有罪判決が下された後に、刑事事件を担当した裁判官が、引き続き損害賠償命令について審理を行います。

通常であれば、刑事裁判とは別に民事裁判を提起する必要がありますが、損害賠償命令制度を利用することにより、被害者側の負担が軽くなります。

この損害賠償命令に仮執行宣言が付けられた場合にも、仮執行宣言による執行の停止を求めることができます。

民事事件の控訴の流れ

民事事件の控訴は以下のような流れで行われます。

控訴申立て

判決書が送達された日の翌日から2週間以内に、控訴状を第一審の裁判所に提出します。

控訴理由書・答弁書の提出

控訴人は、控訴した日の翌日から50日以内に、控訴理由書を控訴審の裁判所に提出します。

相手方の被控訴人からは、控訴答弁書が提出されます。

第1回口頭弁論期日

第1回口頭弁論期日で審理が終了し、結審することが大部分です。

弁論が終結した後は、判決期日が指定されますが、判決までに和解の試みがされることも多くあります。

和解ができなかった場合は、判決が出されます。

判決期日

判決期日に控訴審の判決が言い渡されます。

上告申立て

控訴審判決に不服がある場合は、上告理由があれば上告を申し立てることができます。

刑事事件の控訴の流れ

刑事事件の控訴は以下のような流れになります。

控訴申立て

第一審判決が言渡された日の翌日から数えて14日以内に、控訴申立書を第一審の裁判所に提出します。

控訴趣意書・答弁書の提出

控訴審の裁判所から指定された期間内に、控訴趣意書を控訴審に提出します。

相手方からは答弁書を提出することになります。

公判期日

控訴の申立てに不備がなければ、公判期日を迎えることになります。

第1回公判期日では、主として控訴趣意書にもとづく弁論や、答弁書の陳述が行われます。

公判期日で事実について取り調べが行われることもありますが、大部分の事件では証人尋問や書証などの証拠調べが行われませんので、短時間で審理が終結します。

判決期日

判決期日に控訴審の判決が言い渡されます。

上告申立て

控訴審の判決に不服がある場合は、上告理由があれば最高裁判所に上告をすることが可能です。

民事事件の控訴審の判断

民事事件の控訴審ではどのような判決がされるのか解説していきます。

控訴却下の判決

控訴要件が欠けていて控訴が不適法なときは、口頭弁論を経ないで控訴却下の判決がされます。

控訴棄却の判決

控訴審での審理の結果、第一審判決を正当と認めたときは、控訴棄却の判決がされます。

控訴棄却判決が確定すれば、第一審判決も確定します。

控訴認容の判決

控訴に理由があり、第一審判決を不当と認めたときや、第一審判決の手続きが法律に違反しているときは、原判決を取り消します。

この場合は、原判決の取り消しとともに、自判・差戻し・移送の判決がされます。

  • 自判

民事事件の控訴審は事実審ですので、原判決を取り消す場合には、自らが事実認定を行って訴えについて判決をするのが原則です。

  • 差戻し

第一審判決が訴えを不適法として却下したものであった場合には、事件についてさらに弁論をする必要がないとき以外は、事件を第一審裁判所に差し戻します。

それ以外の場合でも、さらに一審で審理をすることが必要と認められる場合は、自判せずに裁量によって第一審に差し戻すことができます。

  • 移送

原判決に専属管轄違反がある場合は、原判決を取り消して、正しい管轄を有する第一審裁判所に移送します。

不利益変更禁止の原則

民事訴訟では、処分権主義といって、当事者が審判の範囲を定めます。

裁判所は、当事者が申し立てていない事項については裁判をすることができません。

控訴審でも処分権主義がはたらきますので、控訴審の審理の対象は、控訴人が不服を申し立てた範囲に限られます。

そのため、控訴審では、不服の範囲を超えて不利益になる判決を受けることはありません。

ただし、相手方からも控訴があった場合や附帯控訴がある場合には、控訴人に不利益な判決がされることがあります。

刑事事件の控訴審の判断

刑事事件の控訴審で下される判断についてまとめます。

控訴棄却の決定

控訴の申立てが法令上の方式に違反している場合、または控訴権の消滅後にされたことが明らかな場合は、決定で控訴が棄却されます。

控訴趣意書が期間内に提出されないときや、控訴趣意書に方式の違反があるときなども、決定により控訴が棄却されます。

控訴棄却の判決

控訴の申立てが法令上の方式に違反し、または控訴権の消滅後にされたものであるときは、判決で控訴が棄却されます。

法定の控訴理由がないときも、控訴棄却の判決がされます。

原判決破棄の判決

控訴理由があると認められた場合は、判決で原判決が破棄されます。

また、第一審判決後の刑の量定に影響を及ぼすべき情状につき取調べをした結果、原判決を破棄しなければ明らかに正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができます。

原判決が破棄される場合には、差戻し・移送・自判のいずれかがなされます。

  • 差戻し

不法に、管轄違いを言い渡し、または公訴を棄却したことを理由として、原判決を破棄するときは、判決で事件を原裁判所に差し戻します。

  • 移送

不法に管轄を認めたことを理由として原判決を破棄するときは、判決で、事件を管轄がある第一審裁判所に移送します。

  • 自判

上記の理由以外の理由によって原判決を破棄する場合は、判決で、事件を原裁判所に差し戻し、または原裁判所と同等の他の裁判所に移送します。

ただし、訴訟記録と、原裁判所および控訴裁判所で取り調べた証拠によって、直ちに判決をすることができる場合は、控訴裁判所で自判をすることができます。

公訴棄却の決定

原裁判所が不法に公訴棄却の決定をしなかったときは、控訴審が決定で公訴を棄却します。

不利益変更禁止の原則

刑事訴訟法には、被告人が控訴をし、または被告人のために控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできないと定められています。

これが不利益変更禁止の原則にあたります。

刑事事件の第一審で有罪判決を受け、控訴したのが被告人側からのみだった場合には、控訴審で第一審よりも重い刑になることはありません。
⇒企業間の複雑な債権回収なら!

まとめ

この記事では、控訴の概要について見てきました。

控訴を提起するためには2週間という時間的な制約があるため、控訴についてはできるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。

お問い合わせ

この記事に関連するお問い合わせは、弁護士法人M&A総合法律事務所にいつにてもお問い合わせください。ご不明な点等ございましたら、いつにてもお問い合わせいただけましたら幸いです。

    ■被害金額目安

    ■弁護士相談料【必須】

    ■アンケート

     

    無料診断フォーム

    こちらのフォームから、請求可能性や解決可能性に関する無料診断が可能です(ベータ版)。いくつかの質問に回答することによりご自身のご状況が分かります。ご活用ください。

    弁護士法人M&A総合法律事務所メールマガジン

    M&Aの最新情報や弁護士法人M&A総合法律事務所のセミナー情報が届きます。
    メールアドレスを入力してお申込みください。

    セミナー情報と書籍・電子書籍の謹呈

    ABOUT US
    弁護士土屋勝裕
    弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応
    お問い合わせ 03-6435-8418